シナジーマップでコミュニティを戦略的に運営する方法

コミュニティの記事

コミュニティを始める前に考えてほしいのは、コミュニティを作る「目的」です。コミュニティにはさまざまな使い方がありまして、今回はその内容を解説していきます。

コミュニティを事業の武器にする方法

僕は、コミュニティは「事業活動の中に組みこむことでシナジーを創りだす装置」だと思っていまして、それ単体としての使い方は勿体なくて、複数の事業とからめた使い方が最適です。具体的にどのような使い方ができるのか次にまとめます。

1:マネタイズとして

コミュニティに集まった会員から課金をする仕組みで、コミュニティ自体がマネタイズのゴールになっているケース。もっとも一般的な活用方法で、個人起業家やスモールビジネスを実施する方を中心に広がっている施策です。

2:ブランディングとして

良質なコミュニティを運営するオーナーとしての名声や、評価・評判を得るために行うケース。今はコミュニティブームでして、個人がコミュニティを持つことがステータスになる時代です。特に、業界でいち早くコミュニティをつくることで一目置かれる存在になる事例が多数あります。分かりやすい事例では、芸能界ではキングコングの西野亮廣さんや、出版界では箕輪厚介さんがこれに該当する存在です。

3:リソースの獲得として

コミュニティに集まる会員(人)に着目して、人を活用ながら自社事業のスケールを狙うケース。コミュニティを通じて世界観をつくり、そこに集まる会員を自社の採用や、プロジェクトに引きこむリクルート活動も盛んになりつつあります。コロナの影響でリクルートの仕方が大きく変わりそうですし、コミュニティ採用はこれからのベンチャーや中小企業の武器になる施策です。

4:マーケティングとして

コミュニティに集まる会員(人)の「声」を製品開発に生かすケース。従来は、プロトタイプ(試作品)を製作し、市場に出して評価を受けて、開発にフィードバックをして、再製作して、、、と長期の日程を要する業務がコミュニティを活用することで、プロトタイプ製作の前段階で意見や反応を集めてから製作に移行できるようになります。これによって日程と費用を圧縮する効果があります。

また、既存サービスのテコ入れがしたいような場合は、会員と意見交換をするオフ会を企画することで、広く意見や反応を集めることができますので、サービスを改良するPDCAに効果があります。

5:ファン集めとして

ファンのたまり場として、コミュニティという箱をつくるケース。従来のメルマガや、セミナー、講演では「オーナーとファン」という1:Nの一方通行の関係しか築けませんでしたが、コミュニティをつくることで「ファンとファン」というN:Nの関係がつくれるようになります。N:Nの関係作りは、ファンがコミュニティに定着する理由になります。
※用語解説:N:Nとは、「N」はNatural numberの頭文字で自然数という意味です。複数の人を表す場合にNを使うことが多い。N:Nは、多数:多数と置き換えて考えるとイメージがしやすい。

有名人(西野亮廣)のコミュニティの使い方

有料コミュニティで最大の会員数を誇る西野亮廣エンタメ研究所を主宰する西野亮廣さんの事例で紹介します。

西野亮廣さんの場合は、コミュニティを「マネタイズ」ができるドル箱として機能させながら、「リソース集め」や「マーケティング」としても機能させています。

マネタイズとして機能させるための方法

いきなり結論になりますが、西野亮廣さんの場合は、ビジネス書籍、Youtube、ブログ、メディア出演などの目的を「オンラインサロンへの誘導のツール」と捉えていて、これらをオンラインサロンの『宣伝』として使っています。特に本人自身が、ビジネス書はオンラインサロンの宣伝でしかないと言い切っているので、ビジネス書の印税を丸ごと広告費に回して競合のビジネス書と差をつける戦略をとっています。

結果的に、ビジネス書が売れて、オンラインサロンの会員が増える設計をしているわけです。これが西野亮廣さんが実施しているオンラインサロンの「マネタイズ」の戦略ですね。

一方で、西野亮廣さんが開いている「個展(プペル展)」のスタッフはオンラインサロンのメンバーで構成されています。パリでやるときも、ニューヨークでやるときも、です。このようにオンラインサロンのメンバーがプロジェクトのリソースとしても活躍しているわけですね。

コミュニティの最大効果を引き出すためにシナジーマップを描く

西野亮廣さんが書いたシナジーマップ(出処:西野亮廣エンタメ研究所のnote)

冒頭で書きましたが、僕はコミュニティは「事業活動の中に組みこむことでシナジーを創りだす装置」だと思っています。これを最大化するためにシナジーマップをつくりましょう

シナジーマップとは、「自分が抱えている事業やプロジェクトを、地図上に書き出して、それぞれのプロジェクトが、互いのプロジェクトにどういう影響を及ぼしているかを可視化する地図」です。

シナジーマップの作り方

  1. すべてのプロジェクトを用紙に書きだします。
  2. 次にそれぞれを矢印でつないでいきます。
  3. シナジーマップでは、3つの矢印を使います。
    1つ目は、AD=宣伝の矢印
    2つ目は、ID=世界観の矢印
    3つ目は、マネー=お金の矢印

例えば、あなたがブログをやっていると仮定して、ブログをやっている目的がセミナーの集客が目的だとしたら、セミナーの宣伝にあたるのでADです。ブログから矢印をセミナーに伸ばしてADと書き加えます。そして、そのセミナーでマネタイズをしている場合はここにマネーと書きます。

シナジーマップを作ってみると、実は単体で動いてるプロジェクトが多いことに気づくと思います。それぞれのプロジェクトを単体で動かしてしまうと、エネルギーが循環しない無駄が発生してしまいます。

ここで大切なのは、ある特定のプロジェクトで矢印があんまり伸びてないプロジェクトがある場合は、それはいらないプロジェクトの候補になります。時間や費用を測定した上で、そのプロジェクトの要否を考えます。限られた時間の中では、矢印がきちんと回っているプロジェクトだけで構成するのがオススメです。


僕は、このようにシナジーマップを描いて全体像を見ながらコミュニティの設計を行っています。目的によってコミュニティの作り方が異なりますので、どのようなコミュニティをデザインしたら最高の結果が出せるかを大切にしています。

最後までお読み頂きありがとうございました。