【リテンション】コミュニティマネージャーが退会率を下げる為にできること
今回はコミュニティの退会率を下げるためのリテンションマネジメントと、コミュニティマネージャーの役割について書いていきます。
会員がコミュニティの退会を決める4つの理由

青山学院大学 山本寛さんによると、企業で働く若手人材の離職理由は「労働条件」「給与」「人間関係」が三大要素と仰っています。優秀な人材はこれに、「働きがい」「自己実現」「成長実感」の3つが加わると言います。山本さんは、この6つの理由に着目したリテンションマネジメントを勧めています。
[解説]
リテンションとは、人材の流出を防止するための施策のことで、「維持・保持」という意味を持つ言葉です。そのため、コミュニティでリテンションという言葉を使う時は、「会員の維持・保持」という意味で、会員の「退会の引き止め」施策のことを指します。
コミュニティをプロデュースしたり、運営をしている僕の身からしてもこれは当てはまっていると思っています。実際は、コミュニティの場合は「労働条件」と「給与」がないため、「人間関係」「働きがい(やりがい)」「自己実現」「成長実感」の4つになりますが。
もっとも、コミュニティ(オンラインサロン)に参加している多くの方は、この4つを求めて入会しているため、会員の退会率を抑えるためにために、主宰者とコミュニティマネージャーはこれを意識してコンテンツを設計していく必要があります。
会員がコミュニティを退会する動機

多くのコミュニティが破綻してしまう原因の1つに「メンバーが増えない」ことにあります。メンバーが増えないのはリテンションマネジメント面でも大きなマイナス材料です。例えば、メンバーが少ないとマンパワー不足から大きなプロジェクトを動かせないため非日常体験が作れずに、スキルアップや挑戦の機会を逃してしまいます。
そのため、「自己実現」や「成長実感」が薄れてしまい、次第に「やりがい」が失せていく原因にもなります。オンラインサロンの会員は、このように「2つ以上の理由」が重なった時に退会を決意するケースが多いのです。
さらに今は、TwitterやFacebookなどのSNSを通して、同僚や大学時代の仲間が活躍をしている姿をみて、「アイツはあんなに成長しているのに、、、」「アイツはあんなに稼いでいるのに、、、」などと感じやすい環境があります。ライバルたちの投稿を見るたびに、自分の「自己実現」「成長実感」と比較をして、物足りなさを感じたら退会をして他のオンラインサロンに移っていきます。
退会を踏みとどまらせる秘策

青山学院大学山本寛さんが、企業で働く「離職を考えた上で踏みとどまった方」にインタビューを重ねた結果、ある共通点が分かったそうです。その共通点は、職場の「風土」と「人間関係」の良さだったそうです。他に問題があったとしても、風土や人間関係が良好だと、離職を思いとどまることがあるようです。
山本寛さんは具体的に4つのポイントを挙げていまして
- 人を大切にする風土
- ボトムアップ重視の風土
- 多様な価値観を許容する風土
- 縦のコミュニケーション
が大切だと。
コミュニティにおいても、「風土」「人間関係」はコミュニティの根幹で、山本さんが挙げた4つのポイントはコミュニティマネージャーがもっとも意識するべき視点だと思っています。
「人を大切にする風土」という意味では、例えば、会員の入会理由を理解してチャンスを提供し、背中を押すことです。一人ひとりの想いを汲み取って、オーダーメイドでGiveすることが大切です。
「ボトムアップ重視の風土」であれば、会員が「やりたい!」と声を挙げられる環境づくりが大切です。自分の成長を自分でデザインしたい参加者は多いものです。
「多様な価値観を許容する風土」では、否定のない空間つくりが大切です。心理的安全を守り、会員が伸び伸びと意見を言える環境が満足度を高めてくれます。
「縦のコミュニケーション」に関しては、コミュニティの場合は縦に組織をつくりません。できるかぎりフラットな関係づくりを意識します。その上で、コミュニティのビジョンや方向性を一人ひとりが共有することで、会員は将来の見通しを立てたり、自分のキャリア設計図を描いたりします。ビジョンや方向性を浸透させることで会員は自己実現を叶える場所と定義して、長く居続けてくれます。
コミュニティマネージャーの役割

この4つを踏まえて言えることは、コミュニティマネージャーは、「風土」と「人間関係」を良好にする『デザイナー』であることが大切です。心理的安全が守られる風土を考えたり、会員同士のコミュニケーションが活発になるようにデザインをしたり、このような役割を担っていることを覚えておいてください。
加えて、コンテンツを企画する際は、お客様視点(マーケットイン)で、「人間関係」「働きがい(やりがい)」「自己実現」「成長実感」の4つに働きかけるネタを提供するようにしましょう。
この2つの取り組みを通じて、リテンションマネジメントに取り組んでいきます。
今回はリテンションの根幹のお話しをしましたが、次回は具体的な取組みについて書いていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。