コミュニティの会員数を追いかけすぎるとダメな理由・目指せバーベキュー型

チームづくりの記事

多くのコミュニティがはじめに設定する目標が「会員数」だと思います。KPIとして会員数を評価項目にするのは大切ですが、会員増にこだわりすぎてしまうと、コミュニティの設計がボロボロに崩れてしまうことあるので注意しましょう、というお話しを書きますね。

なぜコミュニティを開設すると会員数を追ってしまうのか

おもしろいことをするために始めたコミュニティなのに、いつしかメンバーを増やすことに躍起になってしまうコミュニティがあります。それは何故でしょうか?会員増に走ってしまうのは3つの理由があると思っています。

  1. お金
  2. 権威性
  3. もっと楽しくなるから

理由1:お金

メンバーが増えれば売上も増えるので、お金という観点で会員増を目的にするケース。有料コミュニティの80%が売上に困っている状態ですから、資本主義社会においては違和感のない目標設定です。

理由2:権威性

コミュニティの価値を測る分かり易いモノサシが会員数なので、会員数が増えることで他者から一目置かれ、ブランディングに効果があるから。成功しているコミュ二ティが少ない中、会員数が多いほど「凄そう」に見えるものです。

理由3:もっと楽しくなるから

会員数が増えると必然的に多様性が生まれやすくなります。メンバー同士のコラボレーションが生まれたり、異質なメンバーがコミュニティをかき混ぜたりと、楽しさが増幅する可能性を秘めています。

コミュニティを始めるといろいろな欲や悩みが噴出して、これらのような理由から会員数を追いかけてしまうものです。特に、ビジネスとしてコミュニティを運営しているのなら尚更。コミュニティが会員数を目標にするのは自然なことですが、会員の獲得の仕方には十分に気をつけるべきです。なぜなら、コミュニティは信頼・信用が大切だからです。

オンラインサロンでは会員数を追いかけすぎるとダメな理由

コミュニティマネージャーが大切にするべきはメンバーとの信頼・信用です。ですから、会員を増やす時でも既存メンバーを大切にしつつ、健全に新規会員を増やしていくことがポイントです。

なかには、既存メンバーに口コミやSNSでの発信を強要したり、インセンティブをつけたりするなど「既存メンバーを拡散要員」として扱ってしまうコミュニティがあります。メンバーとの信頼関係が強固でメンバーが前のめりの場合は別ですが、行き過ぎた会員獲得策は信頼関係を崩してしまう恐れがあるのでお勧めできません。

人数を追いかけることで陥る罠

コミュニティではお互いの顔が見えて、つながりも見える関係づくりを目指します。小さなコミュニティや小さな会社では上図のように相手のことがくっきり見えます。ところが、規模の大きなコミュニティや大企業ではお互いの顔や、つながりが見えづらくなります

大きなコミュニティや大きな企業のトップに立つ方は、上図のように個人が見えずに(個人を見ずに)、俯瞰的視点で「組織」として見えていますメンバーを”特定の機能を持つ部品であり組み換え可能な歯車”として捉えている方も少なくありません。こうなってきたら危険信号です。

会員数に強いこだわりが出始めると、メンバーが次第に「部品」や「歯車」に見え出すものです。先に述べた「既存メンバーを拡散要員」として考えてしまうコミュニティはすでにこれに該当していますよね。

コミュニティの運営において大切なのは、メンバーとの信頼・信用で、お互いの顔が見えてつながりも見える関係づくりです。コミュニティではこの軸をブラさずに運営する必要があります。

バーベキュー型のコンテンツを楽しんでいれば自ずと会員も増えてくる

僕が尊敬してやまない大谷由里子さん(元吉本興業の伝説の女性マネージャー/プロデューサー)から教えて頂いたことで、「人は楽しいところ、面白いところに集まるよ。無理に集めようとしなくても、面白いことをしていれば人は集まってくるもんやで」というアドバイスを頂いたことがあります。これを実践して以来、集客の悩みが減りました。

この章ではもう1つ大切なことをお伝えしたいと思います。

それは、「コンテンツはバーベキュー型でつくる」ということです。これはキングコングの西野亮廣さんをはじめ、幻冬舎の箕輪厚介さんらが言葉にされていたことが多かったので1度は聞いたことがあると思いますが、間違えた使い方をされている方が多いため、ここであえて書き残しておきます。

コンテンツの作り方は、バーベキュー型とフランス料理型があります。バーベキュー型は、(そのままバーベキューをイメージしてもらえばいいいのですが)自分たちで肉を用意して、自分たちで焼いて、自分たちで食べるというもの。

一方のフランス料理型は、美味しく調理されたフルコースの料理が運ばれてきて、それを自分たちが食べるというかたち。

以前、日本にそれほど技術やお金が無かった頃は、美味しくて高級なものを食べる幸せがありましたが、今はコンビニの冷凍食品もかなり美味しくなった時代でして、フランス料理とコンビニ冷凍食品の味の差がかなり縮まってきたわけです。美味しいものを食べようと思えば、そこそこリーズナブルな価格で手に入れることができるようになりました。

この結果、美味しいものを食べる喜びが相対的に弱まってきました。これは食事に限らずモノ全体にも言えることで、ユニクロのように安くても高品質な商品が次々に登場するようになりました。良いモノ、美味しいモノは世の中に溢れるようになりました。

その影響もあって、モノを買うことに飽きてしまったのが現代人です。そして、消費者の関心がモノからコトに移ってきました。今は、モノを買うよりも、モノをつくる方に興味を持つ人が増えました

そこで登場したのが「バーベキュー型」という言葉です。美味しいものをただ食べるよりも、自分たちでつくることに興味を持っています。

つくる過程での失敗や成功を「物語」と捉えて、その物語を楽しむためにバーベキューをするというもの。食事そのものが、「グルメ」から「エンタメ」に変わってしまったのです。そして、この「物語」「エンタメ」を自分のSNSで発信して完結です。

オンラインサロンでバーベキュー型が流行った理由をまとめます

バーベキュー型が流行った理由は、次の3つです。

  1. 高品質なモノが溢れて差がなくなってきたこと
  2. モノが溢れていてモノを買うことに飽きたこと
  3. SNSで発信する材料を探している

上の2つは先ほどの章で書いたことなので、この章では3つ目の「SNSで発信する材料を探している」に焦点を当てて解説します。

2009年にiPhoneが発売されて、FacebookやTwitterのようなSNSが流行ってからというもの、ユーザーは自分の投稿に対して「いいね」を求めるようになりました。「いいね」の数を「自分への関心の高さ」に言葉を変換し、自己承認欲求を満たすために「いいね」を競うようになりました。そんなわけで、ユーザーは「いいね」がたくさん付くような投稿ネタを探しているのです。

モノが溢れ、モノの差がなくなり、SNSのネタ探しの3つが揃った結果、バーベキュー型が流行りだしたわけです。

バーベキュー型のコンテンツを使い倒して会員を増やす方法

このバーベキュー型をちょっとズレた使い方をしている方がたくさんいるので、警鐘する意味でこの章を書きますね。バーベキュー型を設計するポイントは、先ほども書いた「SNSで発信をする」から逆算して考えるといいのです。

SNSで発信する理由は、自己承認欲求を満たすためなので、発信者となる当事者が活躍した証拠がつくれればいいわけです。活躍した証拠をつくるためにコンテンツを逆算で考えて設計します。

ところが、失敗あるあるは「拡散だけをやらせようとする」ケースですね。例えば、東京オリンピックなどが失敗例の典型なのですが、「さぁ、#ハッシュタグをつけてSNSで投稿しよう」というかたちでみんなを煽っていて、みんなを巻きこんでいそうなのですが、実は巻きこめていない典型例です。

投稿しよう!と言われても投稿する気にならないのは、みんなを「拡散の道具」として捉えていて、「当事者が活躍した証拠」がどこにも無いからです。自分事になっていない案件をSNSで投稿してくれるほど甘くはないのです。

バーベキュー型のコンテンツをつくる場合は、メンバーの活躍がセットです。そうしないとSNSの投稿まで辿りつきません。メンバーが思わず、「これを投稿したい!」と思える活躍をデザインしましょう。

メンバーの投稿は会員を増やす上で最高の「口コミ」です。これをコミュニティ・マーケティングと言いますが、会員を増やすならこれが最適です。

メンバーが活躍して、熱量が高い投稿をしてもらい、そこに新しいメンバーが引き寄せられるという循環を、楽しく無理なく作っていくのが理想です。

最後までお読みいただきありがとうございました。